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2012年8月13日 (月)

荒巻義雄の伝奇リスト

Filed under: 資料リスト, 研究 - 岡和田晃 @ 0:07:47

 荒巻義雄の伝奇リスト

 限界研編『21世紀探偵小説 ポスト新本格と論理の崩壊』(南雲堂)を読みましたが、特に、収録論文「現代「伝奇ミステリ」論――『火刑法廷』から〈刀城言耶〉シリーズまで」(岡和田晃)については、1970年代伝奇ブームに参加した一人として、当時の状況を証言をしておきます。

 新書版と言えばカッパブックスの推理小説が主流であった1970代はじめ頃、光文社でストがあり、いわゆる7人のさむらいと呼ばれる同社幹部が新しく会社を興しました。それが、神田九段下付近にあった祥伝社です。
 まだSFの新人であった私のところにも電話があり、まったく名前を知らず、ショウデンシャというので電気工事の会社かと思ったほどです。
 やがて伊賀編集長が札幌に来て、新会社の特徴を出すため伝奇+推理という新ジャンルを始めたので参加しないかと誘われた。
 すでに平井和正氏が狼シリーズを始め、これが大ベストセラーとなり、半村良氏も伝説シリーズで参加していた。
 私は、まだ早川のみで仕事をしていたので、信頼していた森優SFM編集長の推薦だと聞き承けることにした。
 約一年後、完成したのが①『空白の十字架』(1975年)。書き出しは千軒岳(北海道松前の裏手)にある切支丹伝説。ここで、当時、噂になっていたUFOを目撃する。
 一応の成功を見て、結局、8巻まで書いた。
 以下、②『空白のアトランチス』(1976)、③『空白のムー大陸』(1976)、④『空白のピラミッド』(1978)、⑤『空白の黙示録』(1982)、⑥『空白の失楽園』(1984)、⑦『空白のメソポタミヤ』(1985)、⑧『空白の大涅槃』(1985)
 こうして、祥伝社の新書版ノンノベルの伝奇推理部門から志茂田景樹、加堂秀三が登場、さらに夢枕獏と菊地秀行なども出現し、伝奇第一期の時代が終わるのである。

 その後、祥伝社は、担当編集者の部署かえで縁が切れた。(半村良などは残ったようですが)
 幸い、すでに徳間書店が新書戦線に参戦、トクマノベルスを始めたし、SFブームにもあやかり「SFアドベンチャー」誌が発刊され、私にも誘いがあった。これに応じたのが、スーパー伝奇と銘打たれたキンメリア七つの秘宝シリーズである。
 ①『黄金繭の睡り』(1976)、②『黄金の不死鳥』(1977)、③『黄金の珊瑚礁』(1978)、④『黄金の回帰線』(1979)、⑤『黄金の水平線』(1981)
 なお、同時期、奇想天外社からは、『神州白魔伝―九来印之壺の巻』(1979、奇想天外社/註、クラインの壺と読む)刊行。もとは「SFマガジン」に昭和49年、読み切り(183~188号)で連載「新妖幻記・白魔傳控帖」として書いたものが、奇想天外社で単行本になった。なお、「奇想天外誌」で、第2部(迷尾臼正邪鏡之巻/メビウス正邪鏡とよむ)を開始、「壱之巻 白魔宮益坂」(1979)42号、「弐之巻 白魔時穴秘宝」(1980)46号に書いたが、同誌刊行が中断したので、作品も中断した。
 さらに、徳間書店から秘宝シリーズ、①『ソロモンの秘宝』(1980)、②『始皇帝の秘宝』(1982)、③『シルクロードの秘宝』(1985)など。『古代かごめ族の陰謀』(1985)
 講談社のノベルからも①『義経埋宝伝説殺人事件(1985)』、②『日光霊ライン殺人事件』(1986)、③『黄河遺宝殺人事件』(1988)、④『「マ」の邪馬台国殺紀行』(1989)(文庫題『新説「邪馬台国の謎」殺人事件』)、⑤『能登モーゼ伝説殺紀行』(1990)
 実業之日本社からは、嶋成シリーズ、①『天女の密室』(1977)、②『石の結社(1979)』
 有楽出版社からは、明王シリーズ、①『殺意の明王』(1981)、②『明王戦記/悪魔の議定書』(1986)、③『明王魔界戦記/妖獣王子』(1987)
 ①『心霊師団出撃ス』(1989)、②『心霊潜水艦出撃セヨ』(1990)、③『心霊戦艦「武蔵」出撃』(1991)、  角川書店からは、①『ムー大陸の至宝』(1984)、②『ムー大陸情死行』(1986)、③『ムー大陸摩天楼』(1987)
 以上、伝奇SFも含む。
 最近の伝奇は読んでいなかったので様子がわかりませんでしたが、岡和田氏のまとめで輪郭が掴めました。以上。(荒巻義雄)

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